2012年6月30日土曜日

今年の庭づくりプロジェクト

引っ越してきて2ヶ月余り。
7.5坪という箱庭のようなマンションの専用庭から、いきなり自然そのものの森の庭に移って来て、その広さにどうしてよいか途方にくれる日々が続いたが、ここへ来てようやくどんな庭にするかの構想が少しずつ浮かんできた。

基本的に、この庭はもうすでに自然の森という意味で完結している。
が昨秋、全体で20本ほどのナラやアカマツの大木を伐採してもらい、うっそうとした森に日が差し込むようになった。そして家の南側には、バラを植えられる陽のあたるスペースがまとまってできた。

今年の大まかなプロジェクトとして

北の庭   玄関アプローチと駐車場スペース
       すでに2箇所の植え込みがある モミジが多い
       
       ・日本的な庭園を目指す 灯篭・石楠花・ツツジ・山野草などのシェードガーデン
       ・門柱を作る(工事を依頼する予定)


東の庭   常緑樹が多い明るい自然林

                 ・南の庭へ続く小径を作る
       ・テラスの周りに小さなドッグランの囲いを作る
 
南の庭   背の高い落葉樹が多い 家の前は明るいスペース
 
       ・バラの庭
       ・家庭菜園
       ・上記2つの間に円形に自然石を敷いたスペースを作る
       ・テラス下のスペースに薪置き場を広げる



目下のところ、川崎から持ってきたバラはまだ鉢植えのまま。加えて出かけるたびに花の苗を買い込んでくるものだから、定植を待つ鉢が増え続けている状態だ。
上に挙げたプロジェクトのほとんどは、夫と私で手作りしていきたいと思っている。いくつかはすでに材料をそろえて着手し、同時進行中だ。

今年中にどこまでできるかわからないけれど、腰を労わりながら、力を抜いて楽しんでやりたいものだ。

2012年6月29日金曜日

人と出会う町  軽井沢

町が小さいせいかもしれないが、軽井沢町に引っ越してきてからというもの、しょっちゅう誰かにばったり出会っている。

旧軽井沢の山の家があった別荘地の管理人さんにも、別荘地で交流のあった方々にも、散歩道やホームセンターやフラワーショップなどで、この2ヶ月のうちに立て続けに出会った。町が小さいせいか、「引き寄せの法則」が働いているのか? その人のことを考えていると不思議とばったりとどこかで出会うのだ。

つい先日も、山の家の別荘仲間のお宅をご挨拶がてら訪問したいと思っていた矢先に、追分のフラワーフィールドで花苗を買って車に乗りこむと、真横に見覚えのあるプリウスが滑り込んできた。週末ガーデナーながら本格的なお庭づくりに取り組んでいらしたご夫婦と再会を喜び合い、そのまま新居に立ち寄っていただいた。

もっとも軽井沢で地元のお知り合いと出会うのは当然といえば当然かもしれない。しかし軽井沢というのは、思いがけない人に出会う町でもある。

最近での最大のサプライズは、中高時代の旧友との偶然の再会だった。
私たちの新居がやっと完成した日に、駅近くのなが蔵という鰻屋さんに初めて行った。店内で私たちと年格好の似たカップルが鰻を食べながらおしゃべりしている。その女性の方を見て、あれ、どこかで見たお顔と思った。気になって、チラチラと食事の間中盗み見てしまった。食事の後、あちらから声をかけてくださった。「Tさんじゃない?」と私の旧姓。本当に懐かしい、何十年かぶりの再会だった。

その旧友ご夫婦は何と、我が家から歩いていける場所に1,2年前に家を建てていて、数年以内に引っ越してくるという。私たちの新居が完成した日だっただけに、この地での新たな交友関係の展開を暗示しているような気がして、その偶然の不思議を喜びかみしめたのだった。

2012年6月20日水曜日

嵐から一夜明けて

今日は台風一過でカラッと晴れ、気温もぐんぐん上がった。
朝のお散歩は、久しぶりにしなの鉄道のトンネルをくぐって農地の方へ行ってみた。
田植えをした水田に林の影が半分映って、田園の光と影を織りなしていたのがきれいで、
思わず携帯で写真を撮った。








道もお庭もテラスも、みな昨夜の風雨で飛ばされた木の枝や葉っぱで模様ができている。
竹箒で掃いて、落ち葉をまとめるのにとても忙しかった。






落ちている葉っぱはほとんど、ナラやクヌギの系統と、巨大なホウの葉。わが家にもお隣の敷地にも大きくなったホウノキが何本かあるが、背が高すぎてお花が咲いているのかどうかわからなかった。
でも今日、お隣の奥様が台風のおかげで落ちてきたホウの花びらを拾ってくださった。
やっぱり高いところでお花を咲かせていたのだ! 白く地厚な花弁はとてもいい香りがする。
私の母がホウの花を見たがっていたので、旧軽井沢の山の家にもホウノキを植えたが、花がつくだけ木が大きく成長する前に母は他界してしまった。こちらのお庭で、母にホウの花を見せてあげたかった・・・。



坂城で買ったオレンジのバラは、花開いてきていい香りをさせている。私の腰痛も少しずつよくなってきている。

2012年6月19日火曜日

坂城町のバラ祭り

今日は6月にしては珍しい台風が日本列島を通過中だ。ここ軽井沢町にも大雨注意報が出て夕方から雨が激しくなっているが、日本各地で大きな被害が出ないことを祈るばかりだ。
私も今日は低気圧と腰痛のせいでちょっと低調な一日だった。

先週は、梅雨の合間があると、このときとばかり家庭菜園づくりに励み、トラックで2立米運んでもらった黒土を菜園の場所まで一輪車で運んだり、耕したり、石を取り除いたりと、慣れない規模の力仕事をして、ついに腰痛がひどくなってダウンしてしまった。歩いて5分という近所の整骨院へ行ってみたら、若い先生がマッサージと整体をしてくれて、思ったより効果が期待できそうだ。保険がきいて1回350円というのもびっくり。もともとの体の歪みも直してくれたらありがたいのだが・・・。

腰痛を抱えながら、日曜日は主人の運転で軽井沢からしなの鉄道沿いに車で30分ほど北上した坂城町のバラ祭りに行ってきた。私の中高時代の友人のお知り合いが坂城町に住んでいて、バラが好きならぜひ町のバラ祭りにいらっしゃいと伝言してくれたからだ。面識のないYさんに思い切ってお電話してみると、私からの連絡を待ち構えていて、上信越道の坂城インターを出たところからバラ祭り会場へ案内してくださった。


小諸もそうだが、さらに海抜の低い坂城町は気候が花の栽培に適しているらしく、昔からバラやカーネーションなどの切り花栽培が盛んだ。千曲川沿いの土手に作られた町のバラ園のバラたちも、気持ち良さそうにのびのびと育っていた。Yさんも10年来パーキンソン病を患っているというのが信じられない身のこなしで、先に立ってバラや地元の農家や飲食店が出している売店を案内してくださった。前日の雨から打って変わり、晴れあがってまぶしい陽光の中をプシケー連れで歩く。プシケーは久々の夏の暑さにびっくりしているようで、お水をがぶ飲み。

アンジェラの大アーチ




Yさんのご実家があるという、この長い橋を渡った千曲川の向こうのお山は、何と松茸のお山だそうで、その季節になったらまたお声をかけてくださるとおっしゃる。




お昼には、この町の名物「ネズミ大根とおしぼりうどん」をご馳走になってしまった。漂白されていない土地のお粉で作ったうどんを、この土地特産の辛みの強い大根のおろし汁につけていただく。お醤油は一切使っていないで、好みでお味噌で味をつける。初体験だったが、とてもおいしかった。





さらにYさんのご好意に甘えてご自宅にもおよばれし、ご主人様ともども、畑で作った野菜の一夜漬けやアンズの漬物、奈良漬とすべて自家製のお茶受けで歓待していただいた。帰りには、家庭菜園の野菜やミニトマトの苗までもたせていただき、まるで親戚の家に行ったように、あたたかい気持ちになって帰ってきた。




Yさんご夫妻のホスピタリティーと坂城の土地の明るさとのどかさに感激しながら、わが軽井沢の森の住まいに戻ってきた。
Yさんご夫妻を見ていると、かの土地では日々の暮らしが本当に豊かで幸せなのだと納得できた。主人といい暮らしだねえと話し合った。私もすっかり元気になった一日だった。

バラ祭りで買ってきたオレンジのバラも、ほんのり爽やかな香りがして今も私の心を明るくしてくれている。

2012年6月15日金曜日

あやめとジャーマンアイリス

こちらに移り住むようになって心を惹かれた植物は、マイヅルソウ、チゴユリなどの小さな山野草から始まって、サクラソウ、ヤマオダマキ、種々の山桜、ライラック、アカシアの花と数えきれないほど挙げられるが、今とても気になっているのが、あやめとジャーマンアイリス。

わが家のご近所のお庭には、どこにも必ず植わっているのが、あやめとジャーマンアイリスだ。
あやめは白か紫だが、ジャーマンアイリスには、白と紫、ピンクと紫の組み合わせや、黄色と茶などの組み合わせがあってとても華やか。しかもどこのお宅でも、それが1本2本ではなく10本20本と群生しているのが見事だ。どちらも5月の末くらいからずっと開花が続いている。

私はまず、こちらのあやめのすっとして楚々とした立ち姿に心を奪われ、紫の花のついた鉢を買った。そしたら、お隣の奥様が、白の苗も分けてくださった。

撮影6月3日
追分の御影用水のあやめ

撮影6月5日
小諸のオープンガーデンで咲いていたあやめ

軽井沢の自然な雰囲気のお庭に確かにあやめはよく似合う。

一方、ジャーマンアイリスのもつあのゴージャスな華やかさも、やはりあらがいがたい魅力だ。
6月初旬、私たちとほぼ同じ時期に小諸に引っ越してきた友人に誘われて、小諸のオープンガーデンやジャーマンアイリスの畑めぐりをするうち、すっかり虜になってしまった。

下の写真は、友人宅に飾ってあったジャーマンアイリスの切り花。お部屋じゅうに漂う芳香。こんなに香るなんて知らなかった!


次の画像は、小諸のオープンガーデンに行く途中の道で咲いていたジャーマンアイリス。
小諸は晴天率が高く、日照時間が長く、乾燥しているせいか、ジャーマンアイリスの花も大きく、のびのびと育っている。こちらでは地面に植わったジャーマンアイリスがよく殖えそうだ。


そして最後は、友人宅の近くにあるジャーマンアイリス畑。何と板橋区にある春光園の農園だそうだ。畑の畝ごとにきちんと名札が立っている。
ここで、友人とジャーマンアイリスの苗を分けてもらった。私が買ったのは、黒紫のSuperstitionと紫がかった白のSnow Goddess。農園のご主人がさらさらと英語のスペルで書いてくれた。アメリカに新種を仕入れに行くそうだ。



この小諸の友人は、実はイングリッシュセターのお仲間で、嬬恋に別荘をおもちなので、いつも軽井沢方面で一緒に遊んでいただいていた。お山の植物や野鳥には大変詳しくて、私はM博士とお呼びして、いろいろ教えていただいている。この数年はバラの栽培も始められ、共通の話題が広がっている。私たちは、奇しくも同時期に長野県人になったわけだが、今後のお付き合いもとても楽しみだ。

ここからは余談だが、5月にご近所で「あやめ」といっていただいて植えた苗は、形と大きさから見て、あやめではなくジャーマンアイリスだったようだ。だとしたらわが家の庭にはすでに10本以上の苗が植わっている。

そういえば主人の企業留学に伴ってアメリカに2年滞在した約30年も前のこと、私はホストファミリーのアメリカ人のお宅のお庭に華やかなジャーマンアイリスが咲いていたのにいたく感動して、自分も将来絶対ジャーマンアイリスをお庭に植えようと決心したことがあった。でも都会の小さなお庭ではうまく育たないでとっくに諦めていたのだが、この年になってジャーマンアイリスへの夢が叶うのだろうか・・・。

2012年6月14日木曜日

新居のお披露目

6月に入ってから新居を訪ねてくれるお客様が続いている。
昨日は、この家の施工業者未来工房さんをご紹介いただいた中軽井沢在住のご夫妻をお招きして家の完成を一緒に祝っていただいた。

実は昨年、最初に全面改装工事を依頼した施工業者さんと打ち合わせを重ねる中で、その業者さんの得意とするところと私たちが目指している路線が少し噛み合わないのではないかと悩み始めていたときに、ふとこのご夫妻がされていたカフェに立ち寄ったことが、別の展開へのきっかけになったのだ。

Cafe Calmさんは、グルメ通りを少し入った木立に佇むおしゃれな木の建物で、ジャズやグールドのピアノが流れる、文字通りカームで優雅な空間だった。しかもテラスでは愛犬連れでおいしいカレーがいただけるので、われわれは5年来のファンだった。残念なことに、昨夏で閉店されてしまった。別荘族にも地元の方にも熱烈な支持を得ていただけに、閉店を惜しむ声もどれだけあったかわからない。

いずれにしても、迷いに迷った末、契約寸前だった建築業者さんを断って、カフェカームの建物を施工した業者さんに新たにリフォーム工事をお願いすることにしたという経緯から、お二人にはぜひとも、私たち夫婦の家づくりへの思いが無事形になったところを見届けていただきたかった。

この家の天井の梁をむき出しにしないで集成材でくるんでもらったのも、大開口の窓をおしゃれな折れ戸にしたのも、カフェカームの建物を真似させていただいた。洗面所のカウンターを木にしたのも、カフェカームの木が醸し出すあたたかな雰囲気の洗面所が好きだったからだ。




この2枚の画像は、この家の床に使用した無垢のチーク材を輸入している汎アジア貿易さんが施工例として写真を撮って送ってくれたものだ。やはり大手建材メーカーの床材に予算内で気に入ったものがなくて困っていたときに、インターネットで偶然出会ったこのチークの床材がこの家の内装の決め手になったと思う。時間を経るほどに味わいを増してくるこのチーク材を、テラスの床と手すりにも貼ってもらった。船やヨットのデッキに古くから使われているくらい、チーク材は水に強いと聞いたからだ。ちなみに、洗面所のカウンターと玄関正面の飾り棚にもチークの集成材を使った。

紆余曲折もあった今回の家づくりにおいて、こうした出会いは本当に幸せだったと思う。