2013年1月19日土曜日

外ネコ、アレックとの別れ

新年早々なぜこの話題なのかわからないのだが、
PC内の古いアルバムでバラの写真を探しているうちに、
川崎の家の窓辺によく来ていた器量よしの雌ネコの写真が出てきた。
我が家ではアレックと呼んでいた、気位の高い野良ネコだ。
もう15歳は過ぎているだろう。





アレックとはかなり古い付き合いで、まだプシケーの先代犬がやってくる数年前に、
我が家のベランダの物置に赤ちゃんを産んだことから、アレックとの深い付き合いが始まった。
私のバラの庭は母ネコと3匹の子ネコに占領されて、水やりもままならなくなった。
母ネコアレックの人間への警戒心は激しいものがあって、そばへ行こうとするとシャーっと
飛びかからんばかりに威嚇して、私たちが庭へ出ることを許さなかった。

それから3匹の子ネコを母ネコの留守の隙に1匹ずつ捕まえては家の中で馴らして、
里親探しに奔走する日々が始まった。その間もアレックは狂ったように鳴きながら、
子ネコを探して我が家の周りをぐるぐる回る。
里親が決まった後は、人間をよせつけない野生児アレックを捕獲して避妊手術を受けさせ
なくてはならなかった。私たちが責任をもってやるしかない。何度も何度もトライした末、最後は
観念したように自分から檻に入ってくれた。賢い子。

アレックは私たちを信用しているのかしていないのか、結局子ネコがいなくなった後も
ずっと我が家の庭に居座った。我が家の食卓に、窓ガラス(夏は網戸)越しにひっそりと
付き添うアレック。人が怖いくせにいつもうちの家族になりたがっていた(と思う・・・)。
我が家の子どものネコアレルギーがなければ、きっとアレックと子ネコの何匹かはうちの子たちに
なっていたのだろう。
そんな私たちの気持ちをわかっていたのか、アレックはそれからもずっと我が家の外ネコであり続けた。一度も私たちに抱かれることなしに。(手をちょっぴり触るくらいしか許さないで)

しばらく姿をみせないことは何度もあった。何歳になっても若くて魅力的なアレックは、
雄ネコからもいつも追いかけられて救いを求めてきたが、きっと人間からも可愛がられ、
我が家以外にも何軒かおうちがあったに違いない。そしてそれぞれの家で、
別の名前で呼ばれていたのだろう。

軽井沢への引っ越しを決めてから、「アレックはどうしよう、軽井沢へ連れていこうか」
と主人と私は本気とも冗談ともつかない会話をしていた。

ところが、引越しの3,4ヶ月くらい前から、気づくとアレックの姿が見えない。
これまでと違って、何かよそよそしい不在感。アレックが帰ってくる気がしない。
アレックは忽然と姿を消してしまったのだ。

生きているのか死んでしまったのかわからない。
気位の高いアレックらしい別れ方だった。

ごめんね、アレック。あなたに相談せずに引っ越しを決めちゃってごめんね。
あなたが私にとって、初めて本気になってつきあった動物だったわ。
ありがとう、大好きよ。そしてさようなら。

6 件のコメント:

  1. ボンピチさんが猫ちゃんと交流を持っていらしたとは知りませんでした。

    私も子供の頃、いつも我が家に遊びに来る猫ちゃんがいたのを思い出しました。
    そう言えば私も勝手に名前を付けていたわ。

    返信削除
  2. コロママさん

    私もアレックと出会うまでは、ネコは苦手だったんです。子ネコちゃんすら、怖くてなかなか手が出せませんでした。

    でも、心が通ってくると、動物は本当に可愛いですね。

    コロママさんは、ワンもネコも両方の可愛さをよくご存じでしょう。

    返信削除
    返信
    1. あのアレックちゃんともお別れだったんですね。
      元気でいてくれるといいですね。

      最近、妙に生き物が愛おしくなるのは
      年のせいでしょうか。

      いつも写真の奥の隠れた場所にプシケーを探し出しては
      楽しんでいます❤

      削除
    2. ブルボンさん

      今日は~、アレックのこと、覚えていてくださったんですね?
      元気か心配です。思い出すといろんな思い出が溢れてきます。

      そうそう、生き物や赤ちゃんや子どもには弱くなりますねえ。

      プシケーはそこかしこにいますよ~。

      削除
  3. 猫ちゃんとのお別れ、不思議だけど転居することがわかったのでしょうね。気位の高さを感じるわ。
    犬とは違う魅力がありますよね。

    我が家の周囲には地域猫がたくさん。
    ルナには目の毒のようですが・・・

    返信削除
  4. ミモザさん、

    本当に動物って不思議なくらい勘が鋭いですね。

    アレックは、品を作ったり、つれなくしてみたり、ちょっと複雑な女心を表現するので、翻弄されていました。
    ワンはストレートに愛情を表現してくれるのにね。

    こちらの寒さでも野良ちゃんがいることにびっくりしましたね。

    返信削除