2012年3月27日火曜日

卒業

外出すると、袴姿の女子学生の姿を見かける今日この頃、卒業式の季節だ。

卒業式のあの厳かな、晴れがましい雰囲気は独特のものだ。
それまでの学校生活での成長と葛藤、人間関係の喜びや苦しみ、
すべてが詰まった思いがあって、それでもひとつの区切りをつけて、
学校生活の終わりを祝う儀式。

卒業式に思いをはせながら、いつしか卒業する学生に思いを重ねている
自分に気付く。
私自身もまた、ある意味でここ川崎の地での家族の時代を卒業するのだ・・・と。
いうなれば、2人の子どもを育て、家族を発展させた時代が終わりを告げる。
でも終わりは新しい時代の始まりでもある。
息子も娘も立派に成長して、自分たちの人生を切り開こうとしていているし、
私たち夫婦は愛犬と新しい自分たちの時代を新しい土地で築こうとしている。

道を歩くと、今年は少し遅い沈丁花の甘く切ないような香りが漂ってくる。
寒冷地の軽井沢へ引っ越したら、この季節にこの特別な香りをかぐことは
もうなくなるのだ。

こうして何をやっていても、いつもどおりやっていることが、
もう二度と同じようには繰り返さないのだという思いにとらわれる。
すると、引越し前の残された時間のどの瞬間もが
かけがえのないものに思えて、一瞬一瞬をいつくしんでしまう。

私たちの人生に起きることは「すべて時に叶って美しい」。
ふとそんな聖書の言葉を思い起こした。

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