我が家は15年前に軽井沢に土地を買い、11年前に別荘を建てた。
別荘を建てるとき、妹からは別荘に行くたびに掃除したり、
ご飯づくりをするなんて面倒でいやにならないのかと心配された。
リゾート地へ行ったら、上げ膳据え膳でのんびり休みたい。
私の妹だけではなく、これが世の奥さま方の大半の意見らしい。
もちろんわからないではないけれど、夫や私にとっては、
どんな素晴らしいリゾート地でも、冷暖房完備のホテルでは
自然の美味しい空気を吸うことさえままならないのがどうしても
不満だった。ホテルでは落ち着かないし、楽しくないのだ。
だから別荘が完成してから、一度もお掃除やお料理を面倒と感じた
ことはなかった。簡素でも山の家のテラスで摂れる食事やコーヒーは、
どこのレストランやカフェよりも美味しく感じるのだ。くつろげる自分の
家のリビング空間にいて自然と一体になれる感覚こそが、私たちの求める
ものなのだろう。犬を飼うようになってからはますます別荘のありがたみが
増した。
一方ホテルが大好きな友人もいる。想像するにホテルという非日常的空間に
宿泊することが、旅というものの日常から離れた未知の経験、未知の発見の
楽しみの一部であり、ホテルはそのわくわく感を高めてくれるといった感覚だろうか。
もちろんリゾートライフを単純ににホテル派か別荘派で括るのは無理があるだろうし、
その両方を使い分けている場合もあれば、そのどちらでもない場合もあり、また
それぞれの生活環境によって事情も違ってくるだろう。
いずれにしても、あれから10年以上が経過し、私たち夫婦は別荘生活にピリオドを
打ち、別荘のあった土地に永住を決め込んでしまった。
先に紹介した妹夫婦は山中湖のログハウスの会員権を購入し、ホテルが
大好きと言っていた友人夫婦はハワイにホテルが管理するコンドミニアムを購入し、
それぞれがホテルと別荘の中間ともいえるリゾートライフを楽しんでいる。
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